日本に15もある地方競馬場。そのうちのどこかで毎月JRA所属馬と地方馬が激突する交流重賞が行われています。中央馬が圧勝する姿に期待する人、地方馬の下克上を期待する人、レースへの思いは人それぞれです。
この記事では、地方競馬のおすすめ重賞を20レースピックアップして紹介しています。レースの特徴や予想のポイントなども解説していますので、馬券購入の際の参考にしてみてください。
目次
地方競馬の重賞一覧【1月】
地方競馬では年明けでいきなりG1が開催されます!東京大賞典からの強豪馬達が激突する川崎記念があります。
2021年1月27日 川崎11レース 川崎記念
新しい年を迎えて最初のG1となるのが川崎記念。川崎競馬場のダート2100mで行われます。東京大賞典から約1ヵ月なので、東京大賞典に出走した馬の人気が高くなるのは当然のこと。
しかし、今年のオメガパフュームのように、単勝1倍台の絶対人気馬が破れることも珍しくありません。ただし、敗れはしても過去5年の1番人気馬が連対を外したことはないので、やはり実力が違う東京大賞典からの人気馬を軸にするのが無難です。
2021年の川崎記念のレース結果
1ヵ月前の東京大賞典ではオメガパフュームの後塵を拝したカジノフォンテンですが、マイペースの逃げに持ち込むと他馬を並ばせない安定したレースで圧勝。最終コーナーでの位置取りがよくなかったオメガパフュームは2着を確保するのがやっとでした。
枠番 | 馬番 | 競走馬名 | 騎手名 | 人気 | 所属 | |
1着 | 1 | 1 | カジノフォンテン | 張田 | 4 | 船橋 |
2着 | 7 | 8 | オメガパフューム | デムーロ | 1 | JRA |
3着 | 4 | 4 | ダノンファラオ | 川田 | 3 | JRA |
地方競馬の重賞一覧【2月】
2月は中央でダートG1のフェブラリーステークスがあるので、地方重賞は少なめです。フェブラリーに出走しない馬達は佐賀記念を目指します。
2021年2月11日 佐賀11レース 佐賀記念
佐賀競馬場で行われるダート2000mの交流重賞です。このレースは本当に固い決着のイメージがありますが、今年は中央から移籍したグレイトパールが、佐賀のエースとしてどこまで中央勢に喰い込めることができるか注目です。
佐賀競馬場は特殊なコースで、ラチ沿いのダートが深いという特徴があります。そのため直線コースでインにもぐりこんだ馬は、伸びに欠けて沈んでしまうケースがあります。
枠順に有利不利はありませんが、インコースで前に行けない馬だと、かなり不利な状況になってしまうので、人気馬が差し馬で1枠、2枠なら思い切って切るのもいいかもしれません。
それでも直線でうまく外に振って、豪快に差す決着もありますので、まさに騎手の腕の見せ所と言えますね。
地方競馬の重賞一覧【3月】
3月の交流重賞は多いです!その中でも注目はG1馬が登場する可能性が高いダイオライト記念。フェブラリーステークスから800m延びた距離をどう戦うかがポイントです。
2021年3月4日 川崎11レース エンプレス杯
川崎競馬場ダート2,100mで行われる交流重賞です。交流戦なので中央勢が4~5頭出走しますが、G1で人気になるような馬達ではなく、中央のオープン~G3くらいで連対できるかどうかのレベルです。
それでも中央勢が強く、1~3位まで全てJRA所属の馬で決まることも珍しくありませんでしたが、この2年間は人気薄の地方馬が2着に突っ込んで来てるので馬券的にも大変魅力があるレースだと思います。
牝馬限定の重賞なので、過去の実績やタイムよりも、出走時の調教やパドックを見て調子の上がっている馬を狙うのがおススメ。地元川崎の馬があまり振るわず、この2年大井の馬が連対しているので、今年も大井からの出走馬は人気あるなしに関わらず注目したいところです。
2021年3月11日 名古屋11レース 名古屋大賞典
日本で一番直線が短い名古屋競馬場。最終コーナーを曲がった後、直線は194mしかありません。さらに1,900mダート戦だと、小回りの競馬場を1周半しなければならないので、先行できてスローペースに持ち込める馬が断然有利です。
実際、過去の名古屋大賞典でも、1着馬、2着馬は最終コーナーで4番手以内にいた馬たち。昨年のロードゴラッソは5番手でしたが、ほとんど3、4番手と変わらない位置取りをしていたので、やはり先行が絶対的に有利なのは間違いありません。
問題はいつも先行している馬が、このレースでも先行できるかどうか?逃げ馬ならいつも通りのレースをしてくれるでしょうが、先行勢が圧倒的に強いとは言え、このレースで逃げて勝てる馬って本当に強い馬だけなんですよね。
軸にしたいのは、3コーナー前の直線で、後方からまくって上がってくる馬。騎手の中でもまくり先方が得意な人に注目するのがいいと思います。
2021年3月16日 高知11レース 黒船賞
高知競馬場のダート1400mで行われる中央との交流重賞です。やはりこのレースでも毎年中央からの出走馬が人気の中心になっていますが、1番人気や2番人気の馬が崩れることは珍しくありません。
その理由は、高知競馬場の開催の8割が重か不良馬場での開催だからです。重が不得意だからという理由ではなく、砂を被ると走る気を失くすようなタイプの馬が好走する傾向があるので、中央勢の中でも人気の馬ではなく、前走のレースぶりを見て、良だと走らないけど重なら・・・という馬を探してみてください。
2021年3月17日 船橋11レース ダイオライト記念
船橋競馬場で行われるダート2400mの長距離レース。前走でフェブラリーステークスに出走した馬と、G2、G3の長距離が得意な馬、そして地方馬が対戦するので、予想は難解です。
実力から言えばフェブラリー組ですが、距離800mの延長。そして直線が長い東京から、直線が短い小回りの船橋に舞台が変わることで、人気馬の見極めが重要になります。
また、過去5年のうち4回が重馬場か不良馬場というコース状態なので、重や不良が得意な血統から予想するのもおすすめの方法です。
地方競馬の重賞一覧【4月】
4月の東京スプリントで勝った馬は、その年の短距離路線を牽引する馬になるので、このレースは注目です。
2021年4月14日 大井11レース 東京スプリント
春の短距離ダート王決定戦!大井の1200mで争われます。
地方競馬場の中でも広いコース、直線の長い大井競馬場なので、追い込み&差しから狙いたいところですが、最近は実力がある逃げ馬が残ってしまうケースが多いので難解なレースの1つとなっています。
東京スプリントは7歳、8歳そして9歳といった高齢馬の活躍も目立つレースなので、過去の実績がある高齢馬の一発に期待するのも面白いかもしれません。
地方競馬の重賞一覧【5月】
かしわ記念にはJRAの有力馬が数多く出走します。北海道もこの時期から重賞レースがスタートします。
2021年5月5日 船橋11レース かしわ記念
フェブラリーステークスから約2ヵ月後。同じ1600mダートが舞台となっています。
やはりフェブラリーステークスからの出走馬が人気、実力ともに上位になりますが、問題は、フェブラリー出走後に立て直しができているのか?どうかということです。
フェブラリー組以外の馬が勝ったケースでも、過去にG1勝利の経験がある馬ばかりなので、穴狙いは無謀なチャレンジかもしれません。
2021年5月27日 門別11レース 北海道スプリントカップ
初夏の気候の良い北海道で行われるスプリントカップ。門別競馬場の1200mコースは直線から最初のコーナーまで470mも距離があるので、枠順によって極端な有利、不利はないと思います。
外枠に逃げたい馬が多い場合は、コース取りが厳しくなるためハイペースになり、内枠に逃げ馬がいる場合は、逆にスローなペースになる可能性が高いです。レース展開を読むことがこのレースに勝つ鍵となるでしょう。
昨年は10歳馬のメイショウアイアンが勝っているように、8歳以上の活躍が目立つレースです。地方馬を軸にするなら、人気になっている4歳~6歳馬よりも重いきって8歳以上で、門別の騎手が騎乗している馬から行くのもいいかもしれません。
地方競馬の重賞一覧【6月】
夏のダート王を決める帝王賞!地方競馬の中でも最も権威のあるレースは絶対に必見です。
2021年6月30日 大井11レース 帝王賞
年末の東京大賞典と双璧をなす、地方競馬で最も権威の高い重賞と言えば「帝王賞」です。真夏の大井競馬場のナイターで行われるアツい戦い。
大井競馬場の2,000mダートは紛れがなく、強い馬が勝つと言われていますが、やはりデータを見ると、最近5年間は1着~3着まで全てJRA所属馬が占めています。
モジアナフレーバーやホッコータルマエといった地方の強豪馬でも、頑張って4着5着といったとこから穴狙いは期待できない、本命党におすすめのレースと言えるでしょう。
地方競馬の重賞一覧【7月】
中央のダービーが終わってから、ダート馬達のダービーが開かれます。
2021年7月14日 大井11レース ジャパンダートダービー
一生に一度しか手にすることができないダービーの称号!馬に関わる全ての人が3歳の頂点「ダービー」を目指すのはJRAも地方も同様です。
地方には地区ごとにダービーがあります。名古屋の「東海ダービー」園田の「兵庫ダービー」門別の「北海優駿」・・・
その頂点に立つのが大井競馬場で行われる「ジャパンダートダービー」です。
このダービーを制した馬が、全国の地方馬の頂点に立つ「ダービー馬」と呼ばれます。
そしてダート馬のダービーがないJRAからは、世代最強の馬達が出走します。過去のダービー馬を見ても、ルヴァンスレイヴ、クリソリベル、ノンコノユメ、古くはゴールドアリュールなど、まさにその後の日本ダート界を背負う馬達が栄冠を奪取しています。
ここ数年の結果を見ると、3年連続JRA馬がダービーを取っています。開催されるのが大井競馬場なので、広いコース、長い直線と、中央の馬にとっても走りやすい環境であり、実力通りの結果が出る要因になるのでしょう。
1番人気の連帯率が高く、少し荒れたときでも2~4番人気の組み合わせで決まっているので極端な穴狙いは止めて、点数を絞って勝負に出るのがいいと思います。
地方競馬の重賞一覧【8月】
8月は気候のいい北海道で重賞が開かれます。
2021年8月12日 門別11レース ブリーダーズカップゴールド
真夏の北海道で開催される2000mの牝馬戦です。G1に出走するような実力馬達はちょうどこの時期、放牧されて休養しているので、それほど抜けた力を持つ馬の出走はありませんが、それでも中央勢の強さが目立つレースになります。
過去3年間は、掲示板入りした5頭は全てJRA所属馬なので、予想するなら中央勢を軸にするのが無難です。但し1~2人気の馬が連を外して、3~5人気の馬が連対するケースも多いので、JRA所属馬の中でも人気が低い馬から買うのが面白いと思います。
地方競馬の重賞一覧【9月】
9月からは本格的なダートG1戦線がスタートします。白山大賞典をステップに10月、11月のG1に向かう馬もいるので必見です。
2021年9月22日 金沢11レース 白山大賞典
金沢競馬場で行われる中央との交流レース。2100mという距離は芝に例えると2400~2500m程度と言われているので、短距離~中距離の出走が多い地方場にとってはなかなか勝つのが難しいレースと言えます。
過去の結果を見ても、中央勢が3着までを独占していることが多く、健闘していたカツゲキキトキトでもようやく3着といったところ。
出走する中央勢のレベルはそれほど高くないので、穴狙いしてみたいと思っちゃいますが、やはりここは中央からの出走馬を軸にするのが賢明でしょう。
地方競馬の重賞一覧【10月】
10月は短距離系の重賞が多いです。マイラーとスプリンターの王者が11月のJBCで激突します。
2021年10月6日 大井11レース 東京盃
春の東京スプリントと同じ大井1200mが舞台なので、出走メンバーもほぼ同じような感じです。4歳馬が春から秋にかけて成長している可能性があるので、東京スプリントの結果だけを重視するわけにはいきませんが、やはり好走した馬はここでも連に絡んできます。
このレース過去5年のうち4回、地方馬が連対していますので、地方馬の中で人気上位の馬は要チェックです。
10月11日 盛岡11レース マイルチャンピオンシップ南部杯
盛岡競馬場のダート1600mで争われるダートのマイル王決定戦です。過去にはトウケイニセイという地元の怪物馬が連覇していたレースですが、最近ではやはり中央からの出走馬の活躍が目立ちます。
盛岡競馬場は脚抜きのいいダートで、タイムが出やすいため、スピードを活かした逃げ馬が活躍することが多いレース。人気が高く実績がある馬は、届かない可能性がある危険な人気馬となる可能性が高いです。
地方競馬の重賞一覧【11月】
地方競馬の祭典JBCが開催される11月。1日に3レースもG1ができるのは地方競馬だけの楽しみです。
2021年11月3日 金沢8レース JBCレディースクラシック
毎年大井競馬場で行われる地方競馬の祭典JBC。1日に3レースも交流G1を行う、まさに競馬の祭典の日です。
最初のG1はレディースクラシック。牝馬限定のダート1800m戦です。G1を勝ち負けできるようなクラスの馬は出て来ませんが、中央から出てくる馬はG2,G3の実績豊富な強豪馬達。迎え撃つ地方馬も重賞実績がある堅実なタイプが出走することが多いです。
牝馬の戦いなので、その日の調子が勝負を左右されることが多く、パドックや返し馬、馬体重の増減などをチェックしてから馬券購入するのがベストです。
2021年11月3日 金沢9レース JBCスプリント
JBCの第二弾は電撃のスプリント戦です。フェブラリーステークスでも好走している中央馬や、短距離重賞で圧勝している馬達が数多く出走していますが、1番人気の馬が勝ったのは2013年が最後・・・・連対はしていますが、1番人気は勝てないというイメージが定着してしまいました。
さすがに1番人気馬が大きく崩れることはないので、馬券的に旨味があるのは、1番人気を2着においた馬単や3連単です。昨年は地方馬同士の決着で万馬券となっているので、地方馬を軸にするのも面白いです。
2021年11月3日 金沢10レース JBCクラシック
JBCのメインイベントが2100m戦のJBCクラシックです。大井の2100なので、帝王賞や東京大賞典に出走した馬達が登場します。
やはりこのクラスになると、人気馬総崩れということはほとんどなく、1~3番人気で決まってしまうことが多い、堅い決着のレースのイメージが強いです。
ただ、ダート競馬も今年は世代交代の時期になる可能性が高く、オメガパフューム、クリソリベル、チュウワウィザードといった、いつものメンバーが崩れてしまうなんてこともあるかもしれません。
今年のJBCは大井ではなく、金沢で行われます。中央馬でも不利があまりないと言われる大井からレースの舞台が変わることで、例年とは違った結果になることも考えられますね。
2021年11月3日 門別11レース JBC2歳優駿
門別で行われる、まだ2歳の馬にとっては過酷な距離1800mで争われる2歳チャンピオンを決めるレースです。デビューして間もない馬達なので、ここで決め手になるのは、将来性よりも完成度の高さ。
早熟で完成されている馬を選ぶのが鉄則です。中央からも期待の2歳馬が出走してきますが、注目したいのは連帯率が高い、地元馬と地元騎手の組み合わせの馬。人気の低い地元馬が突っ込んでくるのも珍しくないので、穴狙いならば門別で実績がある地元馬から買うのがおすすめです。
地方競馬の重賞一覧【12月】
1年の締めくくり東京大賞典がある12月。有馬記念で勝ったお金を東京大賞典でさらに増やして年末年始を迎えたいところですね。
12月29日 大井11レース 東京大賞典
年末最後の競馬は「有馬記念」ではありません!その後に「東京大賞典」があるのです。夏の帝王賞と同様に大井の2,000mで争われる地方競馬のグランプリレース。
帝王賞と同じ距離、同じコースなのに連覇しているのは、過去5年間でオメガパフームのみ。そして東京大賞典では地方馬の連対も目立ちます。
1,2番人気のマッチレースという結果はほとんどなく、人気馬と穴馬の美味しい馬券が出る傾向のレースなので、1番人気から5番人気以下の人気薄に手広く流すのがおススメ。
今年はオメガパフームの4連覇がかかっているので楽しみですね。
地方競馬重賞一覧と予想ポイントまとめ
おススメの地方競馬重賞20レースを紹介してきました。交流重賞は軸にする中央馬がある程度絞れるので、初心者の方でも馬券が当てやすいレースだと思います。
地方の競馬場は中央競馬とはダートの質が違うため、タイムはそれほど早くありません。単純にタイムだけを比較して馬券を購入するのは失敗のもとです。前走のレースをもう一度見直して、出走するレースにピッタリのタイプの馬を探すことで、穴馬券を取ることも夢ではなくなります。